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牧会コラム

#114 『VISION2021』を振り返って

昨年は年間標語を「良い知らせを伝える人よ!」としました。イザヤ52章7節から取ったもので、良い知らせを伝える足の美しさが謳われている聖書箇所です。その良い知らせとは、今の時代に置き換えると、イエス・キリストの名を信じるすべての者に救いが与えられるという福音そのものを指していると言えます。果たして、私たちはそのような年間標語に見合った働きができたのでしょうか。

 まず、良い知らせを伝えることにおいて、どんな形であれ、ノルマを要求することは相応しくありません。福音を告げ知らせることは、大宣教命令(マタイ28:19-20)を通してイエスさまが弟子たちに(そして私たちにも)託された大事なご命令であり、また、すべてのクリスチャンの責務です。ただ、「何人を救いに導くように」という具体的な指標が聖書に記されているわけではありません。自分自身を奮い立たせるための目標を定めることは可能ですが(例えば「今年度には◯人を伝道します!」など)それさえも、誤解を招く可能性があるので、慎重でありたいですね。魂の救いは御霊の業です。頑張った分だけ成果が上がると一概に捉えることのできるものではありません。

 タラントの喩え(マタイ25:14~29)から学ぶと、伝道の賜物のある(あるいはその程度の大きい)人はより多くの実を期待できます。ただ、賜物がないからと言って、伝道から完全に手を離すことは相応しくありません。それぞれの賜物に応じて、福音を分かち合うことに各々の最善で励んだのなら、主はその労苦を必ず覚え、良しとしてくださるお方です。一年を通して良い知らせを運ぶことができた喜びと感謝を証しましょう。