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牧会コラム

#212 クリスチャン文化を家庭に根付かせるため

ある調査機関が「ご飯の前に『手を合わせて「いただきます」』普段からする?」という調査を全国規模で行ったそうです。結果は「合掌して『いただきます』と言う」が64%で最も多く、「『いただきます』と言うが合掌しない」が29%でした。ほとんどの日本の家庭で「いただきます」を言うことがわかります。また6割以上の家庭で合掌をしているようです。さらに興味深いことは、三重県民の投票では「合掌して『いただきます』と言う」が100%であったと言うことです。

 食事前の合掌は仏教由来の文化であると言われています。仏教的思想では肉食は殺生であり罪深いこととされるため、食卓は「命を頂くこと」であり、犠牲となった「命」に対して手を合わせる(合掌)のだと理解されます。でも実際にはそのようなことを思いながら手を合わせる人は少ないと思います。何となく、何気なく手を合わせて「いただきます」を口ずさんでいることでしょう。文化はそう言う自然な状態を生活に浸透します。

 クリスチャンは食前の祈りを捧げます。私たちが祈る対象は創造主なる神様で、祈る内容は食事を与えてくださった神様の恵みへの感謝です。「いただきます」を言うことは作ってくださった方への感謝の表意であると言えます。まずは神様への感謝、そして人への感謝。これこそが聖書の価値観により相応しいクリスチャン文化であると言えます。

 慣れ親しんだ文化を手放すことには一定の抵抗がありますが、よりクリスチャンらしい文化を家庭に根付かせるためには必要なことです。何を手放し何を加えるかで、クリスチャン文化が家庭に形作られていくのです。