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牧会コラム

#147 推薦図書:「自分を知り、神を知る」

久々に図書を推薦します。タイトルは「自分を知り、神を知る」。これを見てパッと思いつく一節がありました。「彼を知り己を知れば百選殆うからず」。聞いたことがあるかもしれませんが「孫子」という兵法書の一節です。相手(敵)のことをよく知り、自分(味方)のことをよく知れば、戦に必ず勝てるという意味です。本のタイトルに通じるところがあります。自分自身を知ることと、神様のことを知ることは対(ペア)になっていて、どちらが欠けるとバランスを失ってしまいます。クリスチャンとして生きる私たちの生涯の課題と言えます。本書は6つの章になっていますが、1章と2章が対に、3と4、5と6章がそれぞれ対になっていて、人を知ることと神様を知ることにバランスを保とうと努めています。それによって難しそうな「神学」を分かりやすく理解できます。

 1章は「神は私たちと似ても似つかない」と題し、人間とかけ離れた偉大な神の存在(属性)について説明しています。それに対し2章では「神は私たちをご自身に似せて造られた」とあり、神様に似せて造られた人間の存在について焦点を当てます。3章は「神は私たちの理解を超える」方であると学びますが、4章では「神は私たちにご自身を知らしめてくださる」不思議なお方であるということから、神を知ることの意味を探ります。5章では「罪は私たちを神から引き離す」一方で6章では「神は罪に打ち勝ち、私たちをご自分のものとしてくださる」ことを通して罪の行いとそれを用いられる神様の摂理について学びます。