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牧会コラム

#196 残す文化、捨てる文化、造る文化

聖書の核心であり、最も重要な内容と言える「福音」はどの時代であれ、どの言語圏であれ、語られる人々の「文化」という「入れ物」に収められた状態で運ばれ、伝えられてきました。人々は文化の中に生きる集団であり、特定の民族や国家に属している人々は同様の文化を共有していることで共同体意識を高め、コミュニケーションを容易にします。真空中に存在する福音はないのだとする聖書理解が、健全な福音派教会の見方であると言えます。しかし、文化の中には聖書が教える生き方に寄り添ったものもあれば、逆に敵対するものもあります。日本に住むクリスチャンとして、私たちを取り巻く文化の扱いについて共に考えましょう。

 まずは、残すべき良い文化があります。例えば、浴衣のような日本の伝統衣装はとても美しく、夏の風情であると言えます。「日本語」という言語も素晴らしい恵みです。その表現の豊さは聖書の本意を正しく伝えてくれます。反面、捨てるべき文化も多く存在します。明らかに宗教行事であるのに、信仰のない人々によって守られている伝統行事は捨てるべき文化です。具体的には神社の祭り、初詣、七五三など、文化を装った宗教行事は切り捨てるべき文化の一面であると言えます。しかし、慣れ親しんだ行事をなくしていくに寂しさを感じます。なので、非聖書的な文化は無くしつつ、それに変わる新しい文化は造り上げることが望ましいのです。ゆかたサンデーのチャレンジは新しい文化の創造であり、健全で活気のある地域を建てあげるための大事な試みであると言えます。

 日本の美しい浴衣を着て、主にあって共に喜び、楽しみつつ、隣人に愛を分かち合う1日を過ごしていきましょう!