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牧会コラム

#243 2024浜名湖聖会の恵み-三浦綾子文学を味わう-

先日の浜名湖聖会には、3名の姉妹方と、奉仕のために3名の高校生たちと参加することができました。車で2時間弱の浜名湖バイブルキャンプ場(HBC)はさほど遠く感じず、お出かけ気分が味わえるちょうど良い距離にあるように感じました。到着早々、鶴木シェフの美味しい夕食を堪能した後は、早速1回目の主講演が開かれました。三浦綾子記念文学館特別研究員である森下辰衛氏が3回の講演を通して三浦綾子文学の素晴らしさと奥深さについて語ってくださいました。三浦さんの代表的な3冊の小説「塩狩峠」「氷点」「道ありき」の解説とその中に秘められた福音的メッセージを汲み取ることができました。どうして三浦さんの小説がこれだけ多くの方々に愛されて続けてきたかを知ることができたように感じます。

 森下氏の講演は非常にわかりやすく、また、彼自身も素晴らしいストリーテラーで、引き込まれるような語り方でした。三浦さんの作品の研究をしつつ、各地に読書会を開いて恵みと気づきを語り合っているそうです。各小説の背後に秘められた三浦さんの想いやメッセージを汲み取る作業は楽しいものでした。分かりやすい一例を挙げると、「氷点」の物語の中心いる「辻口家」の人々は、過ちを犯しながらも、自分たちの罪性に気付かされていく姿が描かれているが、その名前にも意味があったと解説されました。「辻口」の名前の漢字を紐解くと、「十字架に向かう道の入り口」であるという意味が込められていることがわかります。そのように小説のあらゆるところに散りばめられた三浦さんのメッセージを探し当てながら、三浦文学の素晴らしさをいっしょに味わってみませんか?