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牧会コラム

#72 愛餐を再開します

 2月28日付で三重県に隣接する愛知と岐阜を含む6府県で緊急事態宣言が解除されました。1ヶ月以上にわたって続けられた自粛措置がそれなりに効果を表し、コロナ感染が大幅に縮小されたからです。三重県内では緊急警戒宣言の解除を当初の予定通り3月7日に行うこととしました。2月の県内のコロナ感染は意外にも多く、病院や福祉施設内でのクラスターが複数箇所で発生しています。3月になってやっと新規感染者の数が一桁台となり、落ち着きを取り戻しつつあります。

 私たちの教会では緊急事態宣言に合わせて愛餐の交わりをお休みとしていましたが、宣言解除に伴い、本日からの愛餐を再開することとしました。まだ注意が必要な時期であることは確かですが、どうして愛餐を再開することとしたのでしょうか。①それは、愛餐の交わりはクリスチャンの礼拝の一部として捉えているからです。新約時代の記録を見ると、家の教会での礼拝は必ずと言っていいほど食事を伴うものでした。キリストの十字架の出来事を想う聖餐は食卓の場で行われていました。食を交わすことでキリストを味わったのです。②また、食卓の交わりは家族であることを確認するものだからです。コロナであっても家族は食卓を囲みます。教会の家族も然るべきです。キリストにあって家族であることは、食事を交わすことでよりリアルに伝わってきます。霊的家族としてのアイデンティティーを確認することは教会家族の絆を強めることにもつながります。③最後に、愛餐は福祉的役割を担います。貧しい家庭では食事を取ることもままならない新約時代の知恵です。さまざまな家庭環境にいる現代の子どもたちに充分な栄養を与えることはこれから教会の大事な働きになっていくことでしょう。忘れてはないらないのは、食べる喜びを愛する教会家族と分かち合うこと。美味しく、お腹いっぱいにいただきましょう!